逆流性食道炎の勉強の続き。
「治療と日常生活で気をつけること」について
国立国際医療研究センター秋山純一先生が講演された。
治療と日常生活について。
胃食道逆流症（GERD）の中でも、人によって胃酸の量の違いがあるという。
びらん性胃食道逆流症（食道炎があるタイプ）では、胃酸が多い。
中でも症状のあるタイプが、最も胃酸が多い。
非びらん性胃食道逆流症（NERD）では、胃酸が少ない。
先生は雨に例えられていた。
豪雨の後は土地が荒れてしまうが（炎症）。
少しの雨では土地は荒れない（炎症なし）。
豪雨の後の柳川（琵琶湖に流れる1級河川）
壊れている護岸が、食道の炎症のイメージでしょうか？
生活上気を付けることも教えていただいた。
GERDでは、次のことに注意。
- 高脂肪食
- 食べすぎ
- 炭酸飲料
- アルコール
- 喫煙
- チョコレート
- コーヒー
また、食堂裂孔ヘルニアという胃と食道のつなぎ目が上にせり上がる病態がある。
これは、逆流防止のはたらきが弱まる。
胃酸がより食道に逆流しやすくなり、さらに食道に長時間にわたってとどまる。
食道裂孔ヘルニアでは、次のことに注意。
- 食後すぐ横になってはいけない。一時間ぐらいは寝ない。
- 腹部の締め付けも腹圧が上がってよくない。
- 重いものを持つこと
- 前屈姿勢
- 肥満
食事面で避けるべきは、
高脂肪食・アルコール・チョコレート・コーヒー・
炭酸飲料・柑橘類
食べすぎ・食べてすぐ横になること
生活面で避けるべきは、
腹部の締め付け・重いものを持つ・前屈姿勢
肥満、喫煙
横になる際は、ベッドの頭側の挙上・左側臥位がいいという。
右は逆流しやすい。（胃の形のため）
治療としては、まず薬。
胃酸を抑える薬
- PPI プロトンポンプ阻害薬（NERDや 軽症GERD）
- P-CAB：カリウムイオン競合型アシッドブロッカー
重症逆流性食道炎で治療成績が上がった
- 胃酸を中和する薬：制酸薬
- 粘膜を保護する薬
- 胃の動きを促す薬 漢方など
NERDや軽症GERDでは、徐々に減らすことも可能。維持療法である。
重症はやめてはいけない。出血、狭窄があるから。
外科治療としては、腹腔鏡による噴門形成術がある。
胃食道逆流症(GERD)ガイド｜患者さんとご家族のためのガイド｜日本消化器病学会ガイドライン
勉強になった・・・
コロナウィルスが5類になったら、胃カメラ受けよう！
